さまざまな家族の形を綴った「木陰の物語」を読み
「私の場合はこう、私はこう思う」と感じたことを書き込んでください。
この場が家族を学ぶきっかけになれることを願っています。
「歩道で」を読んでいたので、長女の高校の合格発表にはついていきました。
公立では数少ない専門の学科があるため、どうしても行きたいと目指していた高校。12月まで部活や習い事に勤しみ、「塾には通いたくない」と独自のなかば無謀なチャレンジでした。
受験初日は雪。一日目の会場が寒くて、帰ってきたときにはしっかり風邪をひいてしまったようでした。面接だという二日目の朝は「おはよう」の声さえかすれるほど。不安と体調の悪さとで泣きそうな顔をみて、急遽、車で会場まで送ることにしました。二日目終了後、不合格を想定し、次の目標を定めて気持ちを切り替えたようでした。
二週間後の合格発表の日、不合格の場合には、再度願書を提出する必要があり、事務手続きのすべてに段取りをつけて高校に向かいました。心持ちとしては、不合格発表を見に行く感覚でした。
数少ない合格者のなかに、彼女の番号はありました。成績なんてどうでもよかったけれど、彼女の希望が叶えられて、努力が報われて、それが何よりうれしかった。帰り道、涙が止まらなくて困りました。
ダイニングテーブルで仕事をする傍ら、同じくダイニングテーブルを勉強机にしていた彼女に夜中までつきあっていた日々を思いました。保護者も参加するはずの進路説明会に「自分の進路でしょ」と言って欠席した私でしたが、自分なりのやり方で寄り添わせてもらえて、それで結局、彼女に、彼女の選んだ道に感謝している今があります。
15年ほど前、母にとって辛いことを自覚してもらうために、そういうタイミングを設けたことがある。案の定、心配になるくらい無表情になり、そこから家まで一人で帰ると言い出した。
短い距離だけれど一人で帰らせる不安もあったが、そのときこのお話が頭をよぎって、帰り道は無言でもいいから一緒に居たいと思った。
昔、私の通学路だった川沿いを、何もしゃべらず家まで二人で帰った。
あのとき、一緒に歩けて本当によかったなと、ときどき思い出します。