家族の練習問題 9〜木陰の物語〜
“終わりのない旅”
「キャラバンを組んで旅をしている、そんな気がすることがある」
公立の児童相談機関で25年間、家族を対象とするカウンセラーとして活動した
著者・団士郎は、人生をそんなふうにたとえます。
著者がこれまで出会った1000以上の家族のエピソードを元に綴られた
16編の漫画エッセイに描かれているのは、
ときに困難に直面しながらもなお、旅を続けていこうとする家族の姿です。
旅をともにするメンバーは、人生の折々で変化します。
どんな家族に生まれてくるかは自分では選べません。
自ら選んだメンバーであっても、それぞれの道を進むために別れることもあるでしょう。
長い道のりのあいだにはときに、
道端にうずくまり、嵐が過ぎ去るのを待つしかないように思える時間も訪れます。
それでもこの旅を続けていくためのヒントが、
私たちより少しだけ先をゆくキャラバンの姿から、見えてくるかもしれません。